シネマティック・アーキテクチャ東京(Cinématic Architecture Tokyo: 通称CAT)は、元々英国からもたらされた建築と映画を融合して考察するシネマティック・アーキテクチャ論と日本の表象文化論に、美術・アーバニズム・文学の要素も加えたユニークな手法による、「新しい表現方法の実験と探求」および「現代社会に貢献するまちづくりなどの実践活動」を目的に2009年より本格的に活動している非営利グループです。メンバーは、建築家、映像作家、アーチスト、デザイナーが中心ですが、多様性や異分野、業種の混ざり合いによる共同制作の刺激から生みだされる発想のきらめきを尊重しています。その理論を実験的ワークショップ、勉強会、カフェなど実践的イベントを中心に展開させ、これまで国内だけでなく世界各国から様々な分野の人が参加しています。「表現の喜び」や「感性の共有」をコンセプトとする各イベントは専門知識やスキル、経験を問わずに、全ての人々に開かれています。
今このようなコロナの時代、物質的でない価値も探求しつつ、人と人のつながりを大切に、じっくりと考えながら活動しています。
建築と映画という、一見全く異なるメディアに着目し、(別々にではなく)それらを融合的に捉え、その構築性や物語性の意味を考えながら、新たなメディアや思考法を探求していく。いわば、Cinématic Architecture (シネマティック・アーキテクチャ=映画的建築)の定義に関する取り組みを続けている。
建築、アーバニズム、映像、美術、文学、アニメ、漫画、デザインそして哲学...たとえ異ジャンルでも、同時並行的に考えたり捉えてみると、これまで知らなかった意味の発見や、その展開や思考プロセスで横断的共有や参照し合えるものがある。このようなクロスジャンルのコラボレーションや横断的考察から化学反応的に現れるデザイン解決手法の開発や新たな表現メディア創造の探求をしている。
問題点の客観的観察・批評~動機の発見~コンセプト立案~発展~結論へと至る各プロセスを重要視すること、それが、表現の意味の確かさや作品、結論の重要度決定に強く関連すると考えている。つまり「優れたプロセスから優れた作品が生まれる」という因果関係に重きを置く理念での作品づくりを提唱している。
作品は、個人的なアーティスティック表現やデザイン探求にとどまらず、アーバニズムやまちづくりなど、より社会的な広がりを持つ都市空間への取り組みを目指している。プロジェクトの大小に関わらず、それらは都市に対するビジョンの提示という方法をとる。