【レジメ】物語と建築 : フランスの都市空間再生

都市を解読し、読み替え、地域の文化と結びつけていく、これを「物語」と呼び、そんなフランスの都市空間再生手法。

A. Théorie (概念)

Internationale Situationniste *1 ( アンテルナショナル・シチュアシオニスト)60年代に活躍した、芸術・文化・社会・政治・日常生活の統一的な批判・実践を試み結成された前衛集団。
Dérive( デリーブ・漂流)出会いに身を任せ都市のなかをさすらい歩き、都市を解読する手法。→「目の見えない老人に街を案内する」ルールの設定。
https://m.youtube.com/watch?v=zjL5KjoYADw

Psychogéographie (心理地理学 )地理的環境が個人の行動に対して、直接働きかけてくる効果の研究。→「パリ・レ・アール の心理地理学的描写の試み」
https://m.youtube.com/watch?v=M_SJ8YHrg2U

Détournement (転用)以前に作られたものを再構築し新しい価値を生み出そうとする試み。→「子午線とローズライン」神話・昔話・都市伝説。
https://m.youtube.com/watch?v=BaAA4ZtFCrQ

Situation construite (構築された状況)環境と出来事を組織することにより意図的に構築された瞬間。→「エコロジカル・キャンペーン」というイベント。
Les Evènements (出来事)イベント、運動の総称。イベントと空間の組み合わせ、プログラムと建築。

*1 Situationist International Anthology, 1989, Edited and translated by Ken Knabb シチュアシオニスト・オンライン文庫
http://d.hatena.ne.jp/situationniste/20060902/p1

B. Pratiquer une Rénovation Urbaine (都市再生への実践 )

Ephémères curiosités (束の間の好奇心 ) 住民によりつくられ、消える「砂の城」のような構築・消滅のイベント 、エフェメラル・パビリオン。
Les Halles Projet d’Aménagement *2(レ・アール再生計画)時間帯と共に移り変わる訪問者のニーズ、その場の特徴を生かしたスペースとプログラム。
https://m.youtube.com/watch?v=tsB-NpXBd_4

AUSTERLITZ Projet d’Aménagement *3(オーステルリッツ地区再生計画)開発に伴い、古い街と新しい街が複雑に絡み合う駅および周辺地区、歴史的建造物を利用した新しい駅は「交通・交流」の拠点に。
https://m.youtube.com/watch?v=4bN4mdtay9Q

Résidence Saint Yves(サンチーブ集合住宅) 廃校となった小学校を改修した集合住宅、高齢化と過疎化が進む街で、コミュニティーを再生する場に。
Résidence de Lorgeril(ロージョリル集合住宅)海運業を営む邸宅を改修、港町の歴史を継承。
Moulin à eau @ Bretagne *4(ブルターニュの水車)以前貴重な動力として機能していた水車、現在は減少。かつての水辺の風景を残すことを目的に水車を復活。
https://m.youtube.com/watch?v=9gkUDdS_Fh0

アンテルナショナル・シチュアシオニスト / アメリ(2001)

C. L’Exemple de Réhabilitation urbaine en France (現代フランス都市再生の実例)

Paris-Plages *5(パリ・プラージュ)バカンスに出かけることのできないパリ市民のために、夏になるとセーヌ川沿いの車道にできる 人工的なビーチ
https://m.youtube.com/watch?v=SoQw6khatco

Les Machines de L'ile *6 (マシーン・デ・イル) 旧造船所は、機械仕掛けのアトラクションスペースや工房に再生。過去の遺産を生かした新しい街の歴史。
https://m.youtube.com/watch?v=hJueigrXkcY

La Recyclerie *7(ラ・ルシクリー)パリの環状鉄道の駅 を改修してできたレストラン・カフェ。地域の環境と結びついたリサイクルをテーマにした交流スペース。
https://m.youtube.com/watch?v=nlBCsDClKeY
https://m.youtube.com/watch?v=1fXpXQFrdiY

Histoire et Architecture (物語と建築 )ある出来事が切っ掛けで、その場の読み替えが行われ、それが地域の文化と結びつき 都市の物語がつくられていく。都市空間再生の為のシナリオづくり、住民がその場をつくっていける状況の構築、シチュアシオニスト的アプローチ。
Le Fabuleux Destin d‘Amélie Poulain*8(映画『アメリ』2001ジャン=ピエール・ジュネ監督)
フランス映画、モンマルトルを舞台にパリジャンの日常生活を描く。都市と映画、出来事と物語について。
https://m.youtube.com/watch?v=RMbFcxbLMrY