建築の錬金術 シーズン3

文京区本郷の歴史的な通り菊坂を舞台に、シーズン1の「物語性と構築性」、シーズン2の「プロジェクション」、そして集大成としてのシーズン3では、「伝えるための)編集」をメイン・テーマに据え、2017年1月から11月まで計8回のセッションを開催。菊坂にある素材を自由な視点で拾い集め、映像化し、それを別のものに変換するという実験的試みの集大成的シーズンとなった。また、シリーズのテーマ、現代都市における建築(家や都市計画家)のなし得る錬金術とは何か、という問題提起も深められた。その結果、いくつかのプロジェクトは現地でのパフォーマンス、映像の再構築、建築プロポーザルという帰結に到達した。

シーズン3では、プロジェクトを展開する上でのヒントとして、新たにクルト・シュヴィッタースの建築論や、松岡正剛の編集論などが参照された。優れた結果を出すことより、むしろ大胆な他分野からの引用や、発想の閃きやインパクトのある提案に重点を置くこのワークショップでは、様々な実験が試みられ、参加者やスタッフお互いが刺激し合い、高め合うことができた。

建築の錬金術の3シーズンにおいて、参加者は建築系の方にとどまらず、アーティスト、英国の美術アカデミー、映画学校、美術大学の建築専攻出身者、都市プランナー、また制作経験のない方も加わり、自由で積極的、・野心的、アーティスティックなプロジェクトが続出した。参加者はヨーロッパ、アジア出身者を含め多彩で、制作未経験者も自然な流れに沿いつつ、やがて感性を覚醒させ映像および建築作品を作るまでに到達した。CATの刺激的でクリエイティブな環境が創造力を触発することを再認識することができた。3シーズンを通じのべ100名以上の参加者があった。フランスより忌憚なきアドバイスを下さった故シェーニング教授、ケンリー教授に感謝したい。

Special thanks to:
パスカル・シェーニング(AAスクール元教授)/ロン・ケンリー(ラビレット建築大学教授)

協力:
日本都市計画家協会

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