建築の錬金術 シーズン1
ワークショップ「建築の錬金術」とは、建築本来がかつて持っていた都市における錬金術性を再度追求すること、そして、‘映像から何かへの変換’という作品化手法を意味する。
対象地を文京区本郷の菊坂に置き、その通りを舞台にした歴史的な文学作品、ゆかりの人々が暮した痕跡、その地について書かれた文章や、溝口健二や成瀬巳喜男による当地を舞台とした映画作品を共通参考素材とした。
参加者は、都市の谷間の特徴的地形に暮らす人々の生活や歴史の名残りの映り込みを捉えながら、個々の動機を強めていく。映画の物語性と建築の構築性を意識しながらの作品作りで、中には、映像から転換されたオブジェを菊坂に持ち込むパフォーマンスなど建築的手続きの要素を帯びた実験もあった。