ワークショップ | きっと、会うたことのない、誰かのため(に) シーズン2
前年に続きCATが富山県高岡市に赴くプロジェクトは第2シーズンを迎えた。前回の都市のイメージをメディア作品から見出すプロセスで、北陸のメディア作品(映画・アニメ・小説・マンガなど)で描かれた女性たちの生き方に特に感銘を受けた。その結果、今回は、その部分を抽出・表現することをワークショップのテーマとして設定した。現地と外部からの参加者が、メディア作品を媒介に感想を述べ合い、意見交換しながら各自が表現し、それを最後に皆で共有するという2日間だった。
元々、地元行政が理解や関心を示してくれたことがきっかけだったこのプロジェクトも、今回からはワークショップのテーマに賛同してくれた北陸地方の女性の地位向上や環境に関する活動をしている地元高岡市のNPOの方々が宣伝を始めとするプロジェクトの運営面の要職を担い協力しくれた。実際のセッションでは、専門知識やクリエイティブ・スキルのあるなしにはこだわらず参加を呼びかけたことで、様々な人々が集まり異分野、異世代の人々の交流の場にもなった。
参加者それぞれが印象を受けた富山や北陸の作品から自由な発想や解釈で、新たなヴィジュアルが数多く生まれた。前年に追求した“イリュージョン”などの都市性をベースに、”北陸の女性たちの抱いた夢や生き方”という点に着目して各作品に向き合うと、その作品自体の一般的評価や意味とは異なるもう一つの魅力が現れる。また、前年からの参加者には、更にステップアップしてもらうために、集めた情報、発見したもの、関心や魅了された部分を整理し構築した上で他者に表現するかが求められた。伝えるための表現に、建築的構成法が生かされる。これらのテクニカルな部分はCATスタッフがサポートした。”表現し生み出すことの魅力”を感じ取ってくれた人が、たとえ僅かでも増えたことを嬉しく思う。
期間中には皆で周辺各所を回り、伝統を生かしながら大都市圏ではなし得ない大小様々な市民活動やまちづくりの新しい試みが市民の内側から展開していることを知った。
*ワークショップのタイトル「きっと、会うたことのない、誰かのため(に)」は、高岡が舞台となった木崎さと子の芥川賞受賞作『青桐』(1985年)より。
ドローイング(TOP): Madoka Nemugaki および デカルコマニー:Erina Mori
その他表現:Tomoko Shoji、Masao Yonehara、Namio Ohmichi他
プロデュース: Keiichi Ogata
Special thanks to
Seiko Yamashita、Kumiko Ohtsubo、NPO法人 Nプロジェクト ひと・みち・まち、Ryohsuke Kanoh(ゲストハウス・ほんまちの家)、Asako Saeki (Art craft *Life Creation*)、Shigeru Akeno
- 協力:
- 日本都市計画家協会
- 後援:
- 富山県/高岡市/高岡市教育委員会
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